緊急時でも技術や力は不要。老若男女が同じ操作で装着できる脱出専用設計が、降雪地域から都市部の突発的な積雪まで現場の「動けない」を解決
雪道スタックが物流現場に与える深刻な影響
近年増加する大雪による車両滞留
近年、日本各地では予測を超える大雪により高速道路や幹線道路での車両滞留が頻発しています。物流車両が立ち往生すると、単なる配送遅延にとどまらず、輸送ネットワーク全体に影響が広がる可能性があります。
特に問題となるのが、スタックした車両が除雪作業の妨げとなり、交通復旧を遅らせてしまうケースです。
一台の停止が連鎖的な交通障害につながり、結果として運行再開までに数日を要する事例も発生しています。スタックした車両が、トラックなどの大型の車両であればその影響はさらに甚大です。
スタッドレスタイヤでも脱出できないケース
スタッドレスタイヤは雪道走行の基本装備ですが、万全という物では無く、すべての状況でスタックを防げるというわけではありません。
例えば以下のような状況が考えられます。
倉庫敷地内や駐車場からの発進
夜間にタイヤ周りに降り積もった雪が、そのまま除雪が十分でない状態で、エリアからの移動開始時にスタックが発生しやすくなります。
勾配のある道路
積雪の坂道での発進時に、雪面での空転によりスタックが発生します。
勾配の度合いや雪質によってはスタッドレスタイヤでも空転が発生します。
圧雪や積雪の轍(わだち)によるトラクション不足
圧雪路面ではタイヤがグリップを失いやすく、また積雪時にできる雪の轍(わだち)では接地面が十分でない状態で空転が起き、それが続くことで路面形状が変わり、脱出が困難になります。
緊急脱出に特化したラチェット式タイヤチェーンとは
国土交通省の募集を契機に検証された脱出性能
令和5年、国土交通省は大雪時の滞留対策として、企業による「容易かつ短時間で装着可能な緊急脱出用具」の開発と商品化を募集しました。
パーマンコーポレーションではこの取り組みに合わせ、商品の企画を開始。
数々の試作を繰り返し、最終的に豪雪地域新潟県での実地検証の結果、他製品と比較しても短時間で脱出できる性能が確認されました。
ラチェット構造による簡単装着
本製品は脱着の手法に、ベルト荷締機(ラッシングベルト)で培った技術を応用したラチェット式締付構造を採用しています。
均一な締付力を実現
ラチェット操作により、装着者の経験に左右されず一定のテンションで固定できます。
作業時間の短縮
力を必要とする作業を軽減し、短時間での装着が可能です。
緊急脱出に最適化された設計
スタック状態からの脱出や脱出後必要最小限の短距離移動を目的とした専用設計となっています。
簡単装着方法を動画でご説明
誰でも簡単に装着できる構造と安全性への工夫
技術や力に頼らない装着方法
従来の脱出用タイヤチェーンは装着に慣れやコツが必要でした。本製品はラチェットで締めるだけの構造により、
- 作業経験の少ないドライバーでも装着可能
- 力に頼らず一定の締付が可能
- 寒い雪中作業の負担を軽減
を実現しています。
ホイール保護への徹底した対策
開発段階で特に課題となったのが装着時のラチェット部のホイールへの干渉でした。
ラチェット部分がホイールに当たることで、締め付け時にホイールに傷がついてしまいます。
試行錯誤の結果、当社ベルト荷締機のノウハウから専用のプロテクターを装着することで、ホイールへの接触リスクを低減させることが出来ました。
開発担当者が語る商品化までの挑戦
タイヤサイズ適合の検証
大型車から小型トラックまで幅広い車両に対応するため、サイズ適合検証には多くの時間を要しました。
約1年をかけて各種性能を改良
脱出性能と装着の容易さを両立するため、雪道での実地テストを何度も行いました。
その後、約1年をかけてようやく商品化が実現しました。
どんな状況で活躍するのか
以下のようなケースにおいても、ラチェット式タイヤチェーンは短時間で装着が可能なため、スタック状態からの迅速な復帰をサポートします。ドライバー単独でも装着・脱着がしやすく、夜間や人員不足の状況でも運行再開を目指せます。
降雪地域を走行する運送会社
冬季輸送では「動けなくなるリスク」を最小限に抑える備えとして活躍します。
降雪地域を日常的に走行する運送会社では、スタッドレスタイヤやチェーン装備が標準対策となっています。しかし実際の現場では、それらを装備していてもスタックが発生するケースは少なくありません。
特に事業用トラックでは次のような状況でスタックのリスクが高まります。
- 物流倉庫や配送先で一定時間停車した後の発進時
- 山間部や幹線道路の勾配区間地域の走行時
- 豪雪時の渋滞した道路上で、再発進をしようとした時
- 除雪が不十分な郊外の物流拠点周辺道路
事業用トラックは車両重量や積載状況によって駆動バランスが変化するため、雪道では予期せぬスタックが発生しやすい特性があります。
配送・現場支援で使用される小型トラック
ルート配送や末端配送を担う小型トラックは、市街地から郊外、山間部まで幅広い道路環境を走行します。そのため降雪状況の影響を受けやすく、スタックによる業務遅延リスクを常に抱えています。
例えば次のような場面では、短時間でも車両が動かせないことで業務遅延に直結します。
- 住宅地配送時の除雪がされていない生活道路
- 店舗搬入口やバックヤードでの圧雪路面
- 工事現場や仮設ヤード周辺での路面状況が悪い場所
- 除雪が遅れやすい郊外配送ルート
都市部での突発的な積雪対策
都市部では降雪頻度が少ないため装備準備が遅れやすく、短時間の降雪でも交通混乱が発生しやすい傾向があります。近年は都市部でも急な降雪が発生し、降雪量も多い傾向にあります。そんな中、ラチェット式タイヤチェーンを常に車載しておくことで緊急時の安心につながります。
都市部特有のスタック要因には次のような環境があります。
- 立体駐車場や地下搬入口のスロープ
- 商業施設や物流センター構内の圧雪路面
- 突発的な路面凍結
対応車両について
本製品は小型トラック以上の車両を対象として設計されています。
軽トラックおよび軽自動車には対応しておりません。
ご使用前には必ず適合タイヤサイズをご確認ください。
真冬の輸送における「万が一の備え」としての価値
「車両に常備」という安全対策
スタックは予測が難しく、発生すると輸送業務に大きな影響を与えます。そのため緊急脱出用具の常備は、冬季の輸送におけるリスクマネジメントとして重要です。
稼働率を守る装備
本製品は車両停止による配送遅延を防ぎ、冬季の安定運行を支援します。
使用時の注意点
脱出専用製品という点について
本製品は、雪道でスタックした際の脱出や脱出後、安全な場所への短距離移動を目的として設計された緊急脱出用タイヤチェーンです。
スタックが解消された後は、速やかに最寄りの安全な場所へ移動し取り外してください。
装着したまま一般道路を通常走行すると、次のようなリスクがあります。
- 路面状況に適さない使用による製品破損
- 車両やタイヤへの負担増加
- 走行安全性の低下
- 道路路面への悪影響
本製品は「脱出をサポートする補助装備」であり、連続走行用チェーンとは用途が異なります。用途をご理解のうえ適切にご使用ください。
雪面(路面)の状態や車重が及ぼす影響について
本製品を使用した場合でも、荷台が空で車重が軽い状態や、脱出する路面の状況(溝の深さや圧雪)によってうまく脱出できないケースも有ります。
実証実験では、複数のチェーンを駆動輪に使用する事によって有効的に機能することも確認されておりますので、導入時にはご検討されることをおすすめいたします。
前述、新潟県において国土交通省北陸地方整備局監修の元、本商品のテストを行いました際の動画が公開されております。そちらで路面状況が脱出時に与える影響についてご覧いただけます。
商品ラインナップ
現在、ラチェット式タイヤチェーンはタイヤサイズに応じた3品番を展開中。
小型トラックから大型トラックまで対応しております。
まとめ
トラックの雪道でのスタックはドライバー個人の問題にとどまらず、物流や社会全体に影響を与える重大なリスクです。
ラチェット式タイヤチェーンは、誰でも短時間で装着できる脱出専用装備として開発されました。
冬季輸送の安全確保と安定稼働のために、万一の備えとして導入を検討されてみてはいかがでしょうか。